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GMOクリック証券の対応によるインターネット証券の補償転換点

  • 8月11日
  • 読了時間: 3分

GMOクリック証券の対応によるインターネット証券の補償転換点


補償転換点
転換点

【GMOクリック証券の対応:原則「全額補償」+「原状回復方式」】

■ 内容:


補償対象者:2025年5月までに不正アクセスによって被害を受けた全顧客

補償方法:

被害者が元々保有していた株式を市場で買い戻すよう依頼(原状回復)

その購入代金はGMOクリック証券が全額負担

インターネット証券で初の「全額補償」発表

6月以降の被害については「個別対応」方針

 

■ 意義・分析:

所有権の回復を正面から認める姿勢(=被害者が元々持っていた「株式」という特定物の回復を重視)

ネット証券では初めて、金銭による損失補填ではなく、物権的な原状回復措置を明言

フィッシング等によるID・パスワード流出への企業責任を認めた形

今後の補償は未定としており、「一時的な限定措置」に留まる可能性もある

 

🔹【1】他の証券会社の対応比較

■ 大手対面証券5社

原状回復方式を採用(不正に売買された株式を「元通り」に)

実質的に全額補償(保有資産を回復させる方向)

顧客との信頼関係を重視し、「物権回復」の原則を堅持

 

■ ネット証券3社(SBI証券、楽天証券、松井証券)

2分の1補償(被害額の半額のみ金銭で補償)

補償方法:金銭による損害填補

原状回復ではなく、所有権侵害の放置を容認する不十分な姿勢

顧客の信頼喪失や訴訟リスクを抱える

 

🔹【2】業界構造の断層:対面 vs ネット

 

項目

対面証券

GMOクリック証券

SBI・楽天・松井

補償内容

原状回復

(全額補償)

原則全額補償

(原状回復)

2分の1補償

顧客対応方針

顧客保護を優先

顧客保護を優先

コスト重視

所有権の扱い

尊重

(特定物返還)

明確に認める

実質的に否定

信頼回復の姿勢

高い

高まりつつある

低い

 

🔹【3】法的・倫理的評価

GMOクリック証券は「物権的請求」の正当性を受け入れたと評価でき、法的・倫理的に極めてまっとう。

対面証券も同様に「被害者の所有権回復」を原則として尊重。

対してSBIなどは、所有権の否定・信託責任の軽視・金融倫理の軽視という三重の問題を抱えている。

 

🔹【4】今後の注目点

GMOの補償方針がネット証券業界全体に波及するか

SBI証券らに対する返還請求圧力の高まり

裁判において「原状回復=所有権回復」の法的正当性が確立する流れ

金融庁・消費者庁の対応次第で規制強化が進む可能性

 

🔚 結論

GMOクリック証券の「原状回復による全額補償」は、インターネット証券の歴史における倫理的転換点であり、法的にも正統な対応。

これに対し、SBI証券らの「金銭半額補償」は所有権の侵害を軽視しており、構造的不正義を温存する不当対応として今後批判を集める可能性が高いと思われます。

 

日本経済新聞朝刊記事(2025.8.6)より

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